Father's Love

2024-04-29
Poster

一家の大黒柱だった父の背中がいつからか丸くなりました。
私たちは時々、自分の力で育ったと錯覚し、父親の人生に関心を持たなかったり、もどかしく思ったりします。
父も最初から父親だったわけではありません。かつては少年であり、青年であった父。
父と呼ばれる彼はどのような人生を生きてきたのでしょうか。

寡黙で厳しい父、優しくて友人のような父……。本展は、私たちを支えてくれた父親たちの無口な愛に思いをめぐらせるために企画されました。時代の変化とともに父親の姿も変わってきました。家父長制が厳しい父親を生み出し、家計を支えるという役割のため父親は社会にしか居場所がなくなりました。このように時代が変化するなかでも父親は存在し続けました。自分も父親になってみると、その寡黙な姿がすなわち子どもへの愛であったことが少しずつわかってきます。

長い間、家族のために頑張ってきた父。
父としての生き方しか知らなかった彼は、若い頃、今のような姿を夢見ていたのでしょうか。それとも別の何かでしょうか。
ふと、父の夢が気になりました。