人は道を作り、その道によって、人․地域․文化がつながります。
忠北も例外ではなく、ここに通じる陸路や水路のような無數の道が、人․地域․文化を結んでくれました。四通八達の交通の要地である忠北は、韓國では海に接しない唯一の場所である反面、他文化圈に囲まれた立地であるがゆえに、さまざまな文化が共存しています。このように忠北の道は、朝鮮半島における文化の交差路として、特別な意味を持っています。
忠淸北道と國立民俗博物館による今回の展示は、<2012忠北民俗文化の年>事業の一環として、これまでの硏究成果と2011年から國立民俗博物館によって進められてきた忠北地域の學術調査․硏究結果をもとに、忠北を紹介する場であります。
文化交差路としての忠北を紹介する方法として、まず忠北に續く道を提示しました。陸路と水路によって人が移動し、その道に沿って作られた文化がそこにあります。陸路からは峠を越えてさまざまな文化が形成され、水路からは渡し場が文化を結ぶ架け橋になりました。
そしてこの架け橋によって忠北ならではの特徵的な民俗が生まれました。さまざまな民俗要素が、道によって結ばれている周辺地域と互いに影響し合いながら形成され、忠北の數々の圈域に多樣な民俗を作り上げました。水路からは漢江水系․錦江水系の圈域に、歷史的には高句麗․百濟․新羅の圈域に、そして隣接地域からは東部․中部․南部の圈域に、その様子が現れています。
今回の展示では、このような忠北地域の特徵的な資料や映像などを時空間的に配置して、水路に沿って、陸路に沿って、忠北を思う存分、楽しんでいただけるようにしました。
道に沿って旅立つ忠北旅行、その旅程は次の通りです。
- 第1部 道としての忠北─自然と歷史─
- 第2部 水路に沿って、陸路に沿って、忠北に續く道
- 第3部 道で出會える忠北民俗
- 第4部 忠北人が步んできた道
- 第5部 忠北の向かうべき道
話の絲口として疎通(facilitation)という言葉が注目を集めている今、幾つもの道が走る忠北の道が疎通のきっかけとなり、忠北が疎通の第一旅行地になることを期待します。