休み 展示

2013. 07. 24~09. 23 / 企画展示 Ⅰ

人類は仕事（労働）と休み（休憩）を繰り返しながら歴史を綴ってきました。休みというのは労働のための油だと言えます。昔の先祖たちも日常に疲れると、外に出かけ旅行をするなり流れる清流に足をつけたり、木蔭や縁側に腰掛け、自然に向かい合って休憩をとりました。

今回の特別展『休み』は、忙しい日常から切り抜け、思索に深けながら悠々自適できるよう企画されました。身体的な「休み」だけではない、精神的な「休み」についても考えてみる機会となるでしょう。

自然を象徴的に表し、形象化した民俗資料と共に、伝統性に基づいた現代作品をも紹介、新しいメディアと技法を用いた今回の展示が民俗展示の新たな時代を切り開けるのではないでしょうか。

展示は次のような構成になります。

観覧者の自分が主人公になり、金剛山(クムガンサン)に立ち、遊覧する
第一部 　「緑の陰、そよ風に囀る鳥よ」

縁側に腰掛け、自然の風景と音を楽しむ
第二部 　「単着に扇子、冠は取り下ろし」

床につき、夢の国に旅立つ
第三部 　「真夏の夢、浮世の塵はのがし」

展示場は「観覧」にとどまらず、「体験」と「休み」を通じた「休み所」になれるよう仕立てました。まるで自然中を逍遥するかのように、旅人になり、縁側の主になって、昼寝を楽しみながら忙しい日常の憂いを忘れてください。展示場から出る瞬間、「我」を発見し、真の「休み」に気づき、体と心が癒されますといいでしょう。