国立民俗博物館ではこの度、韓国人の精神的な求心点であり、分配・配慮の実践の場となってきた「宗家」をテーマに展示を開くことになりました。
宗家とは「一門において長男により継承される本家」のことで、古き文化の姿を代々守ってきた伝統文化の宝庫です。「奉祭祀、接賓客」という独特な文化の中で、宗家はどのような力により引き継がれているのでしょうか。この展示では、宗家伝承の原動力を明らかにすることにより、我々現代人にとって本当に必要なものは何なのかについて省察してみたいと思います。
展示スペースは一般的な宗家の家屋配置により構成しました。家に入る前に、まず宗家の意味としきたりについてご紹介します。大門(テームン)をくぐり男性の空間であるサランチェに足を踏み入れると、宗家の家訓や教育・接客・孝に関する資料が展示されています。母屋に当たるアンチェでは、女性たちの役割や義務、宗家のしきたり、さらには生活にまつわる心温まる話が紹介されています。敷地の奥には、宗家の人々の主要な任務である祭祀を執り行う祀堂(サダン)がありますが、ここでは祖先との対話が交わされ、霊前でも恥ずかしくない子孫でいられるよう祈りが捧げられます。祀堂を出ると、ある宗家の家訓が展示されていますが、これは現代人にとっても必須の徳目であり、国立民俗博物館が皆さんにお贈りするメッセージにもなっています。
それでは皆さんを宗家にご案内しましょう。